セルライトはお尻や太ももなどの下半身によく見られる、ボコボコとしたやっかいな脂肪。セルライトを潰そうと、毎日マッサージに励んでいる人も多いと思います。

それでもなかなか減らないセルライト。セルライトの無くし方って、あるんでしょうか？

セルライトは「脂肪に老廃物や水分が絡みついたもの」などと説明されることもありますが、医学的にはセルライトという概念は存在せず、ごく普通の脂肪とされていて、特殊なものではないよう。

セルライトは脂肪細胞が大きくふくらみ皮下組織の一部が引っぱられるため、ボコボコとした形に見えます。だから特殊な脂肪のように感じる人が多いのかも。

セルライトには度合いに応じて5～6段階があります。


あなたのセルライト度合いをチェック

レベル1
外見的にはほとんどわからない。

皮膚をねじってみると若干デコボコが出ます。
時々むくんだり、傷やあざが治りにくく感じます。

レベル2
手で押さえるとボコボコが目立つ。

むくみが出始め、ちょっとぶつかっただけで内出血やあざが出来やすくなります。
つまんで押さえたときに、少し痛みを感じるときもあります。

レベル3
皮膚がオレンジの皮のようにデコボコ。

むくみがひどくなり、そのままの状態で皮膚のデコボコが目立ちます。
細胞内に酸素や栄養素が不足し、皮膚やコラーゲンをつくる細胞が正常に機能しなくなります。
一般的にセルライトと言われているのはこのレベルからです。

レベル4
皮膚が波打ったようになり、触ると冷たい。

脂肪細胞が異常に大きくなって、固くなった線維にかこまれて水分を閉じ込めます。
固い線維の部分と脂肪の柔らかい部分が絡み合って、
皮膚の表面はマットレスを巻きつけているかのようにボコボコになります。
リンパの流れも悪く、老廃物が滞るので皮膚が冷たくなってきます。

レベル5
皮膚に冷たいところと熱く感じるところとができる。

血液の循環が悪くなっているため、血液はセルライトになっている組織を避けて
組織の外側をまわって流れるようになります。

血液が流れているところは、老廃物を一斉に排出しようとしてパンパンになり、
セルライトになった組織の一部にも血液が流れ込みます。
そこで、冷たくなっている部分と熱く感じられる部分とが出来てしまいます。


セルライトも普通の脂肪と同じで、マッサージで潰れることはないんです。だから、セルライトの潰し方は存在しません。

でも、「セルライトを潰すと音がする」という噂もあるよう。実際、マッサージをしていると、プチプチッと潰れるような音が聞こえることもあるのではないでしょうか。

そのような音がするから、確かにセルライトは潰れている、と感じる人も多いはず。

ですが、「セルライトを潰すと音がする」というのは、実は真っ赤なウソなんです。

そもそも、セルライトをはじめとする脂肪のかたまりは、脂肪細胞という細胞が集まってできます。

脂肪細胞ひとつの直径はおよそ70〜90μm(マイクロメートル)。中性脂肪をため込んで大きくふくらんだものでも130〜140μmほどなんだとか。

1μmは、1000分の1ミリメートルのこと。だから、とっても小さいサイズだということがわかります。実際、脂肪細胞ひとつひとつは目に見えないほど小さいんです。

そんな小さな細胞が、耳で聞こえるほどの音をたてて潰れるというのは、現実的にありえないんです。

それでも、実際に音がした、プチっと潰れた感覚があったという人がいるのは事実。

実は、この音や感覚は、実際に脂肪が潰れたわけではなく、単に脚の組織が指で弾かれたことで起こるものなんです。

だから、一生懸命マッサージをしてセルライトを潰しているつもりでも、実際は脚の組織に負担を掛けてしまっているだけかも……。


残念ながら、セルライトはマッサージで潰して解消することはできません。したがって、セルライトの潰し方というのも存在しません。

ただ、マッサージ自体に意味が無いわけではなく、むくみや凝りをもみほぐして血行を良くすることは新陳代謝を活発にする効果が。

新陳代謝が活発になることで、エネルギーの消費量がアップし、脂肪細胞が少しずつ小さくなることも。

「セルライトを潰すぞ！」と脚を強く揉んでしまうと、内出血でアザになってしまう原因になります。マッサージをするときは、脚の疲れを取る程度にするつもりで、優しく行いましょう。

また、入浴時など、脚を暖めながら行うとより効果的。さらにマッサージクリームなどを使うと皮膚に余分な負担が掛かりません。

リンパの流れが良くなれば、代謝が上がって脂肪をエネルギーとして消費しやすくなります。

血管は、心臓のポンプ作用によって血液が押し出されますが、リンパにはポンプ作用がないので、流れがとてもゆっくり。

特に下半身のリンパは重力に逆らわなければいけないため流れが滞りがち。夕方から夜にかけてだんだんと脚がむくんでしまうのはそのせいです。

でも、リンパの周りの筋肉を鍛えれば、ポンプ効果のないリンパの流れを助けることができるんです。

そこでおすすめしたいのが、ウォーキング。ふくらはぎの筋肉を収縮させることで、ぎゅっとリンパを絞って流れをスムーズにします。


いつも使っているバス停や電車の駅のひとつ前で降りてみたり、エレベーターをやめて階段を使ってみるなど、歩く距離を少し増やしてみてください。

歩くときは、背筋を伸ばし地面を蹴るようにして、少し速めのスピードを心がけると効果的です。

セルライトに潰し方はありません。それに、マッサージしたところで、すぐにセルライトがなくなってくれることもありません。

せっかく脚を綺麗にしたいと思っているのに、アザだらけになっては本末転倒。

マッサージをするなら、力任せに押すのではなく、リンパの流れを助けるように下から上方向に優しく行うのがおすすめです。

セルライトをすぐになくすことは難しいもの。日々のむくみケアや運動によって、少しずつセルライトが解消できるよう心がけましょう。


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